超ヒマな私が新年の予定をつくってもらった話:中編

かくして、新年に知らないフィリピン人宅へ訪ねることとなった私。

新年の準備

12月31日。キャシィ一家と近くのスーパーマーケットで待ち合わせ。食材を買うためであります。今回は特別にお邪魔させてもらう事になったので、それらの費用は私が持つ事を申し出ておりました。何回か一般的なフィリピン人宅にお邪魔したことがありますが、彼らは客人に対して頑張っておもてなしをしてくれます。マニラなんかだと睡眠薬を混ぜて食べ物を出すとか物騒な話がありますが、基本的には本当のホスピタリティからのもてなしかと思います。

キャシィ一家も例にもれず、お前の食べたいものを何でも料理してやる、と張り切っております。

新年パーティーのメンバー

一応、誰と過ごす事になったのか、説明します。全員初対面です。

キャシィ:私の友だちの友だち。KTV嬢。かわいい。
キャシィの夫:お喋りで気さく。見栄っ張り。志村けんに似てる。
ミミ:元KTV嬢。お客さんを呼べずに首になった。

基本的にはこの3人。後はキャシィ夫婦の家族と近所の方たちです。

一般的なフィリピン人宅

私はマカティ市に住んでいるわけですが、周りにはたくさんのコンドミニアムがあります。そのコンドミニアム群から徒歩で10分も歩けば街灯は一気に減り、いわゆる長屋のような連なった住宅街へ行くことができます。区画がキレイに分かれていて、少し高いビルから街を見下ろすとそのコントラストがそのまま経済格差を感じさせます。

キャシィの住宅は長屋の一角で夫婦の両親、親戚などが固まって生活しています。プライベートなどはほぼ無しのようで唯一のドア付きの部屋にはキャシィの子供が気持ちよさそうに寝ています。

1階は夫婦の両親、そして2階の小さな部屋が夫婦の場所のようでした。ドアや階段は壊れ、足場が悪い中に犬が寝てたりしてカオス。そして近所の人なんかもみんな知り合いのようで一種の運命共同体のような趣です。

本当は画像があればいいのですが、なくしちゃいました。

取り残される私とミミ

キャシィ一家は私達をもてなす事に忙しいので、暇なのは私とミミだけになりました。

ミミの自分の家かのように振る舞うくつろぎっぷりは、私もリラックスできる空気を作ってくれるには十分で、ちょっと頼りないプラスティックの椅子に深く腰掛けビールを片手に料理を待ちます。

ミミはしばらくお母さんと一緒に住んでいましたが、お母さんを助けるべく働く事を決意。一旦はマッサージ師として活動しますが、給料が安すぎたためKTVへ転職。接待の”せ”の字も知らない彼女はおっさんたちに愛想を振りまく事を拒否し、お客さんをとれず、あえなく首。その後はお母さんに仕事を辞めた事を言うものの、お母さんからなぜ稼いで来ないのかと罵られケンカをしてしまったため、帰る場所がなくなってしまい友だちの家を転々としています。

このような経緯があり、年末に行く宛がないという共通点で結ばれた私達に奇妙な友情が芽生え始めるのでした。

キャシィの気持ち

ミミと無為な時間を過ごすのも悪くないのですが、料理づくりに少し参加しようかとキャシィを手伝う事にしました。キャシィと話をしたところ、キャシィはどうも夫の事をあまりよくは思ってはいないようで、正式に籍を入れるのは抵抗があると話していました。二人の間に子供がおり、実質結婚しているようなもの、みたいな状況のようです。尚、フィリピンにおいては離婚は基本的に許されていません。もしするとなると法的な面倒な手続きと莫大なお金が必要となります。そのため、別れても籍をほっといて新たなパートナーを見つけていることが多く、制度だけ形式的に禁止した結果、混乱を招くという本末転倒な感じになっています。

つまり、彼女は別れを前提に今の関係を持っているという事が予想できます。

料理が完成

さて、いよいよ料理が完成し、しばしの歓談の時。しかし日本人は私一人で他はフィリピン人のため、基本的にはタガログで会話は進行。ニュアンスを汲みとってヘラヘラしていたわけですが、みんなもそれなりに気を使っているらしく、たまに日本の文化について私に質問してきてくれたりしたので、楽しく時間を過ごすことができました。

続く