フィリピン在住、ゲーム好き。生き残るためにどうするべきかを考えます。

フルーツ売りの男

いつも帰宅路にいる真面目なフルーツ売りの男の話。

今日も道端でスイカとパパイヤ、パイナップルを売っている男。外出する時はその道を必ず通るので、否が応でも目にする事になる。

歳は見た感じ40~50歳程度。衣服は汚れており洗濯をしている形跡はない。足を痛めているらしく普通には歩けずに、足を若干引きずっている。

愚直な商売

彼は木でできた台の上に水槽を置き、水槽の中に大きな氷を入れ、その上にフルーツを置いている。通行人がその場所でフルーツを買っているところを見たことはないが、彼がその場所に現れてから2年は経っているので、それなりに売れているものだと思われる。

ある日、私は知人と一緒にその場所を歩いていた。ふと彼が「パイナップルは好きですか?」と聞いてきたので、好きだと答えるとそのフルーツ売りの男に声をかけた。

彼は私の知人が近寄ると素早く立ち上がり、どのパイナップルが欲しいのかを聞きつつ、手際よくカットし、ビニール袋にいれ、知人に手渡した。笑顔はないものの、完璧な仕事ぶりだった。

値段は20ペソ。(50円くらい)

そんなに大きな額は稼げないが、彼は休まない。彼はサボらない。

私の知る一般的なフィリピン人の働きぶり

例えば私のコンドミニアムのガードマン。私が外出しようとしてもドアも開けず挨拶もしない。夜は寝ていて何のためにその場所にいるのか不明で、クビになることもなく勤務を続けている。受付の仕事ぶりも同様だったりする。

例えばデパートのスタッフ。会計時にこちらを見ることもなく商品を雑に扱い、お釣りがあると舌打ちをする。

例えば知人の兄弟。彼らは働かない。家族の稼ぎ頭からの仕送りに依存しており、たまに仕送りが遅れると怒り出す始末。

これは彼らが悪いというよりは文化に根付いた態度であり、アジアの病人と評される経済的なポテンシャルと成長具合の咬み合わなさも頷ける。

努力の報われない社会

愚直に働く人間が苦労をして、サボっている人間が楽をするという構造は私をイライラさせるのに十分な出来事で、そんな時に彼の姿をみるとどうにか報われて欲しいと願わずにいられないのです。

それからというもの、私は気が向いた時に彼からパイナップルを買って帰ることにしました。

突如現れた競合

ある日、彼の隣により多くの品揃えのフルーツ売りのおばちゃんが現れ、私は唖然としました。営業スペースは彼の3倍を確保しており、通行人も大体そのおばちゃんから買っていくようになりました。

彼に「おばちゃんは友だちなの?」と聞いたところ、何も言わずに首を横にふりました。

私のできる事

おばちゃんがきてから2ヶ月後、名前も知らないフルーツ売りの男は私の中にモヤモヤを残しいなくなりました。
私が彼にできる事は何もありませんでしたが、せめて私の身の回りではそのような事が起きぬよう、私自身の力が欲しいと思いました。

力ってなんだろう。。。